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空の青さは蛙に聞こう

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とあるエッセーを読んでいたら、「井の中の蛙、大海を知らず」の諺の
続きがあることを知って、「井の中の蛙~の諺って、いいじゃないか!」と
皆で盛り上がった話がありました。
みんなが嬉しくなったその続きとは

「されど空の青さを知る」。

これを読んで、わたしは「あれれ?」と思ったのです。
諺の続きがあるのは知っていたのですが、わたしが覚えていたのは
「されど地の深さを知る」でしたから。

「されど」がついた諺の解釈は
「見聞を広めれば広い世界を知り、浅く知識をつけることとなるが、
一つの場所にとどまるところで、より深い知識を得ることが出来る」となるのでした。

意味は同じなのでしょうけれど、
空の青さと井戸の深さでは言い回しが違うじゃないの?
そこで少し調べてみると、元々は中国の荘子の言葉。

「秋水篇」にある「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」が原典ですが、
蛙は否定的な意味合いで使われています。

「井戸の中の蛙(かわず)には、海のことを話してもわからない。
それは蛙が狭い環境にとらわれているからである。
視野・見識の狭いものには、真理を説いてもわからない・・・」

そんな内容の言葉なのでありますが、
日本に伝わってのいつのころやら「されど」が付いたようでして・・・。


「されど天の広さを知る」
「されど地の深さを知る」
「されど空の青さを知る」
「されど空の高さ知る」等々。

色んな「されど」がくっついた訳です。
井戸の底から天を仰ぐか底を覗くかの違いはあれど、
小さな井戸の円の中から考える意義。

なにはともあれ、すごいなこの「負け惜しみ力」。
「井の中の蛙」の続きがあることに驚くのではなく、
わたしはこれをつけた日本人の「負け惜しみ力」に
感心してしまいました。

がんばれ、蛙。
「負け惜しみ力」で強くなるんだ。
どんな境遇でも空の青さを広さを高さを、
地の深さを自分の感受性の豊かさを
感じろ!感じろ!感じろ!

だってここにも「本当」はあるのだから。
by otegami-studio | 2010-05-24 05:20 | おはなし