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今、今と・・・3

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まずは「今、今と・・・1」
次は「今、今と・・・2」
そして今日の「3」が最後。


『at Home』を借りました。
どっしりと重い写真集です。
白の紙にモノクロ写真の表紙。
題名の飾り文字がとても似合って、新刊であってもアンティークな趣きな装丁。
一枚、一枚最初からめくって眺めていくと、
ゆっくりとしたパラパラ漫画のように、中に写った家族が笑って、泣いて、遊びながら成長していきました。


写真集の後書きで上田さんが
「写真の中で家族がほほ笑んでいる。
一刻、一刻、過去となり、忘れ去られてしまう運命にあるなんでもない日常の中に、
二度と見ることの出来ない、大事な小さなほほ笑みがある。・・・・」。
と書いてありました。


2008年の雑誌に上田さんが「4月に『at Home』の写真展をするよ」と言う「今」があり、
2009年の雑誌に松浦さんが見かけた古本『at Home』を巡る情景の「今」があり、
2010年に私がようやく見た『at Home』の中には
一刻、一刻、過去となり、忘れ去られてしまう運命にある「今」が沢山入っていて、
それを眺める私の「今」があり。


一冊の『at Home』の写真集を拠点に過去と現在の「今」が交差して
タイムトラベルをしたような気持ちになりました。
ずっと前に出版されたこの写真集を見るのは、「今」が私にはとてもジャストだったのです。
物事にはその人にあった「今」がやってくる。
きっと。

表紙にもなっている写真は、逗子の海岸でかれんさんとお子さんが
カメラを構えるお父さんを振り返って微笑んでいる写真。
たった今過ぎた「今」を振り返って微笑んでいる写真。

「今」「今」と「今」と言うとき、「今」ぞ無く。