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太陽のペンダント

むか~し、昔。
私の会社時代のおはなし。
ある夏に会社の社員旅行に行きました。
行き先は海の近くの街でした。
中途採用で入社した私の同期は一人。1つ年上の彼女がいました。
旅行中はその彼女と一緒に回りました。
そうしてマリンスポーツを楽しんだり、珍しい食事をしたりして
存分お休みを堪能したのでした。
帰る時に記念にこの琥珀の太陽のペンダントヘッドのついたアクセサリーを買いました。

翌年。
私は社員旅行に行きませんでした。
去年と同じ海の街。
同期の彼女は行きました。
するとお土産に、私が買った太陽のペンダントとお揃いのピアスを買ってきてくれたのです。
お土産がこれとは驚きました。
よく私が買った物を覚えていてくれたな・・・とびっくりしたのです。

だって彼女とは趣味は合わない、性格も正反対、考え方も違うしで
「同期」としてのくくりがなければ、本来なら友達にもならないタイプだったのです。
そんな彼女がおざなりなよく有るお土産でなくて、
「私」宛の品物を選んで買ってきてくれた事に
驚きました。

後々、私は会社を辞めました。
同期の彼女とはなんの音沙汰もありません。
お互い、それきりの関係だったのでしょう。

でも、夏がくるとこのペンダントとピアスを見ては彼女の事を思い出すのです。
私と彼女の間には
たぶん「同期」っていうだけで生み出された、
ちょっとした仲間意識とか連帯感とか助け合いとか・・・そんな類のものがあったのです。
あの時期、彼女と私は合わない者ながら「同期」という言葉に助けられて
すこうし繋がっていたのでしょう。
それが今やとても懐かしい。

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