言い出しかねて・・・
那須高原にあるニキ美術館が8月で閉館すると聞きました。
それで、思い出したお話し。
だいぶ前、ニキ・ド・サンファルが大好きな友人と一緒にニキ本人に会いに行った事がありました。
会いに行ったと言ってもトークショウみたいなものにですけれど。
ニキとは大きくてカラフルな女性像ナナで有名な彫刻家です。
多くの人は箱根の彫刻の森美術館にある彫刻で知っているかと思います。
そのトークショウから2年後にニキは亡くなってしまったのですが、
当時からすでに体調が優れなくて日本に来日するのもこれが最後と言われていました。
ニキは歩くのも困難で車イスに乗っての来日です。
会えるとしたらこれが最後かもしれない・・・と友人はそう思って意を決して行ったのでした。
当日、本人がおしゃべりをする姿を友人は感激しながら見ていました。
話しが終わったので、わたしは友人に「握手してもらいなよ」とけしかけました。
友人はものすごくニキに会う事を憧れていたのですもの。
いつもは積極的な友人が控え室まで行こうとしては、尻込み、考えこみ・・・
結局、握手や写真を一緒に撮ってくださいと言い出せなかったのです。
わたしは「どうして?もうチャンスは無いのに!!」とひどく残念がりました。
言い出せなかったのは、ニキが疲れていそうだったから。
あんまりニキが好きだった友人は、彼女の体を気遣い声をかけられなかったのです。
何年か前、東京の丸善でわたしの好きな絵本作家の佐野洋子さんの
原画展示会兼サイン会に行ったことがありました。
『100万回生きたねこ』で有名な佐野洋子さん。
11時から13時までがサイン会。わたしはどうしても佐野さんにお会いしてみたかったのでした。
しかしその日、わたしはサイン会の前に外せない用事があって、
急いで行ったものの、佐野さんがいらっしゃる時間帯には少しの差で過ぎた時間に会場に到着したのでした。
原画だけは見られるからとがっかりしながらも会場に向かうと
なんと佐野さんがまだいらっしゃるじゃないですか!
とても嬉しくて、まだ続くサインの列に並びました。
そしてサインしていただきました。
本当は一緒に写真を撮ってもらいたくてカメラを持っていたのでしたが、
言い出せなかったのです。
”13時を過ぎてもまだサインして・・・佐野さん、お昼ごはんも食べずに立ちっぱなしでなさっているんじゃないかな。疲れていらっしゃるだろうな・・・”と思ったのでした。
写真を撮ってもらっている人達はいました。ちょっと羨ましくもありました。
でもやっぱり、言い出せなかったのです。
そしてこのとき、ニキと写真を撮れなかった友人の事を思い出しました。
ああ、こういう気持ちだったのね・・・と。
佐野さんも今はだいぶご高齢でサイン会の回数も少なくなっているでしょう。
もしかしたらもう一緒に写真を撮ってもらえるチャンスは巡ってこないかもしれません。
でもね、やっぱりあの時、写真を撮って下さいと言えなかった事を後悔はしていないのです。
とても残念な事ではあるけれど。
それはニキが好きだった、あの友人もそう思っていると思うのです。
それで、思い出したお話し。
だいぶ前、ニキ・ド・サンファルが大好きな友人と一緒にニキ本人に会いに行った事がありました。
会いに行ったと言ってもトークショウみたいなものにですけれど。
ニキとは大きくてカラフルな女性像ナナで有名な彫刻家です。
多くの人は箱根の彫刻の森美術館にある彫刻で知っているかと思います。
そのトークショウから2年後にニキは亡くなってしまったのですが、
当時からすでに体調が優れなくて日本に来日するのもこれが最後と言われていました。
ニキは歩くのも困難で車イスに乗っての来日です。
会えるとしたらこれが最後かもしれない・・・と友人はそう思って意を決して行ったのでした。
当日、本人がおしゃべりをする姿を友人は感激しながら見ていました。
話しが終わったので、わたしは友人に「握手してもらいなよ」とけしかけました。
友人はものすごくニキに会う事を憧れていたのですもの。
いつもは積極的な友人が控え室まで行こうとしては、尻込み、考えこみ・・・
結局、握手や写真を一緒に撮ってくださいと言い出せなかったのです。
わたしは「どうして?もうチャンスは無いのに!!」とひどく残念がりました。
言い出せなかったのは、ニキが疲れていそうだったから。
あんまりニキが好きだった友人は、彼女の体を気遣い声をかけられなかったのです。
何年か前、東京の丸善でわたしの好きな絵本作家の佐野洋子さんの
原画展示会兼サイン会に行ったことがありました。
『100万回生きたねこ』で有名な佐野洋子さん。
11時から13時までがサイン会。わたしはどうしても佐野さんにお会いしてみたかったのでした。
しかしその日、わたしはサイン会の前に外せない用事があって、
急いで行ったものの、佐野さんがいらっしゃる時間帯には少しの差で過ぎた時間に会場に到着したのでした。
原画だけは見られるからとがっかりしながらも会場に向かうと
なんと佐野さんがまだいらっしゃるじゃないですか!
とても嬉しくて、まだ続くサインの列に並びました。
そしてサインしていただきました。
本当は一緒に写真を撮ってもらいたくてカメラを持っていたのでしたが、
言い出せなかったのです。
”13時を過ぎてもまだサインして・・・佐野さん、お昼ごはんも食べずに立ちっぱなしでなさっているんじゃないかな。疲れていらっしゃるだろうな・・・”と思ったのでした。
写真を撮ってもらっている人達はいました。ちょっと羨ましくもありました。
でもやっぱり、言い出せなかったのです。
そしてこのとき、ニキと写真を撮れなかった友人の事を思い出しました。
ああ、こういう気持ちだったのね・・・と。
佐野さんも今はだいぶご高齢でサイン会の回数も少なくなっているでしょう。
もしかしたらもう一緒に写真を撮ってもらえるチャンスは巡ってこないかもしれません。
でもね、やっぱりあの時、写真を撮って下さいと言えなかった事を後悔はしていないのです。
とても残念な事ではあるけれど。
それはニキが好きだった、あの友人もそう思っていると思うのです。
by otegami-studio
| 2009-05-26 05:19
| ウツクシキことども