池の中の王様

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安東みきえさんの『頭の打ち所の悪かった熊』を読みました。
安東さんの本は読んだことがなかったのですが、ちょっとしたきっかけでこれを
読むことになったのですが・・
気に入ってしまいました。

この題名からしてかなりインパクトがあり想像されるように、ちょっと変わっています。
そしてダジャレや妙なオチで茶化したような文章。
人によってはそれが嫌かもしれません。
こんな風に書かなきゃいいのにと思う人も少なくないかもしれません。
でも、それに騙されずに読むと、中にちりばめられた「しっかりした事」に
「うーん」とうなってしまうのです。
たぶん作者の安東さんは、あんまり本当のコトや真面目なコトを話すと照れて、
どうしてもふざけてしまうのかも知れません。

「池の中の王様」がすごく好きでした。
主人公のおたまじゃくしは
「クエスチョンマークの形で卵から飛び出したものだから 
「ハテ?」と名付けられました。」・・・・なんてところから私は気に入ってしまうのですけれどね。

ハテと嫌われ者のヤゴが友達になって
お互いを思いやる事を知って、でもそのせいで気ままな一人という自由を失ってしまいます。

「たとえどんなに離れていたって、おれはおまえを見つけられるさ。
友達ってそういうもんさ」
「たとえどんなに姿を変えても、ぼくは君を見つけられるさ。
友達ってそういうもんさ」
と二人で言い合ったセリフと
「おまえにだったら食われてやってもいいさ」というセリフが
ラストにすこーく上手く使ってあって、
おたまじゃくしとヤゴという設定の妙が効いています。
これには本当に参ってしまいました。うますぎる・・・

読みたくなったでしょ?

安東みきえ著
『頭のうちどころが悪かった熊の話』 理論社
の中の「池の中の王様」
短編集です。
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